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ANOUK Watch & Jewelry アンティーク・ヴィンテージのジュエリーと時計、その他趣味のブログです。

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アール・ヌーボー~古典スタイルへの反抗から生まれた新しい芸術

1800年代から1900年代にかけて多くの芸術が生まれましたが、その中でもアール・ヌーヴォーが19世紀末から20世紀初頭にヨーロッパを席巻し、その後1930年代まで続くアール・デコへと移行します。その芸術的価値は現在でも高い評価とともに認められています。このころまでをアンティークジュエリーと呼ぶ場合が多く、世界的に取引されています。

19世紀のヨーロッパの建築や絵画では、「新スタイル(neo-styles)」が主流となっていました。建物、花瓶や家具はゴシック、バロックといった古典的デザインに設計されていました。




1800年代後半の間に、多くのヨーロッパの芸術家、グラフィックデザイナー、建築家達が、それまでのデザインにおける古典的なアプローチに反抗しはじめました。さらにジョン・ラスキンなどの作家の主導で、機械化・工業化時代に対する批判が起こります。

しかし1890年頃から、このような古典的なスタイルに疲れていた多くの芸術家や職人が、フランス語でアール・ヌーボー(Art Nouveau)、またはドイツでユーゲントシュティル(Jugendstil)と呼ばれる全く新しい芸術スタイルを考案したのです。これは、非対称性でしなやかなラインをもち、動物や花、植物由来の装飾有機的なフォルムが特徴です。



前世紀の変わり目に、アール・ヌーヴォーは様々な分野で、西ヨーロッパの国々での建築や絵画、手工芸などのデザインを席巻しました。ベルギーの建築家ビクターオルタやアンリ・ヴァン・デ・ヴェルデのような代表的なアールヌーヴォー建築家は、このスタイルで数多くの建物を設計しました。オランダ人アーティストのヤン・トーロップと、フランス人のアンリ・ド・トゥールーズ・ロートレックは、そのグラフィックアートでその流れのフォームを組み込みます。

多くの場合、グスタフ・クリムトの絵画やエッフェル塔のアーチに見られるように、幾何学的形状、特に円弧、放物線、および半円を組み合わせた自然が様式化された形態がそのスタイルの特徴となっています。

また、ラリックのジュエリーやティファニーランプによって見ることができるように、昆虫や雑草、さらには架空の妖精のように、それまで見過ごされていた自然の造形を様々な形でデザインに活かしています。彼らは偉大な美しさは自然の中で見つけることができると信じていました。

アールヌーボーの影響は1910年頃から終わりを迎えましたが、現代でもそのファンは多く、多くのアールヌーボー作品や建築物が歴史的遺産として残されています。




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